排ガス測定 大気汚染防止法では、固定発生源(工場や事業場)から排出又は飛散する大気汚染物質について、物質の種類ごと、施設の種類・規模ごとに排出基準等が定められており、大気汚染物質の排出者等はこの基準を守らなければなりません。
 当社ではボイラーや焼却施設などから排出されるばい煙、有害物質、揮発性有機化合物、及び特定悪臭物質の測定および排ガス中のダイオキシン類について測定を行っています。


規制対象施設(ばい煙発生施設)
 大気汚染防止法が規制対象としているばい煙発生施設とその規模については、「ばい煙発生施設とその規模」のとおり定められています。
 また、広島県では、別途生活環境の保全等に関する条例が「大気汚染防止法・広島県生活等に関する条例の概要」のとおり制定されており、大気汚染防止法が規制対象とする施設以外にも規制対象が広がっています。
(各表については、「大気汚染防止法・広島県生活環境の保全等に関する条例(大気関係)の概要」平成19年4月 広島県より抜粋)

測定内容
(1) ばい煙、有害物質
(2) 揮発性有機化合物
(3) 特定悪臭物質
(4) ダイオキシン類
ばい煙測定対象施設
測 定 車

ばい煙発生施設の種類 規模(〜以上)(1つ満たせば該当)
1

ボイラー(熱風ボイラーを含み,熱源として電気又は廃熱のみを使用するものを除く。)

伝熱面積
10m2
バーナーの燃焼能力
50l /h
2
※1

水性ガス又は油ガス発生用ガス発生炉及び加熱炉

原料処理能力
20t/日
バーナーの燃焼能力
50l /h
3
※2

金属精錬又は無機化学工業品製造用焙焼炉,焼結炉(ペレット焼成炉を含む。)及びか焼炉(14項を除く。)

原料処理能力
1 t/h
4
※2

金属精錬用溶鉱炉(溶鉱用反射炉を含む。),転炉及び平炉(14 項を除く。)

5
※1※2

金属精製又は鋳造用溶解炉 (こしき炉,14,24,25,26項を除く。)

火格子面積
羽口面断面積
バーナーの燃焼能力
変圧器定格容量
1 m2
0.5m2
50l /h
200KVA
6
※1

金属鍛造若しくは圧延又は金属若しくは金属製品の熱処理用加熱炉

7
※1

石油製品,石油化学製品又はコールタール製品製造用加熱炉

8
※1

石油精製用流動接触分解装置のうち触媒再生塔

炭素燃焼能力
200kg/h
8の2

石油ガス洗浄装置に附属する硫黄回収装置のうち燃焼炉

バーナーの燃焼能力
6 l /h
9
※1

窯業製品製造用焼成炉及び溶融炉

火格子面積
バーナーの燃焼能力
変圧器定格容量
1 m2
50l /h
200KVA
10
※1

無機化学工業品又は食料品製造用反応炉(カーボンブラック製造用燃焼装装置を含む。)及び直火炉(26項を除く。)

11
※1
乾燥炉(14,23項を除く。)
12
※2

製鉄,製鋼又は合金鉄若しくはカーバイド製造用電気炉

変圧器定格容量
1,000KVA
13
※2
廃棄物焼却炉 火格子面積
2 m 2
焼却能力
200kg/h
14
※1※2

銅,鉛又は亜鉛精錬用焙焼炉,焼結炉(ペレット焼成炉を含む。),溶鉱炉(溶鉱用反射炉を含む。),転炉,溶解炉及び乾燥炉

原料処理能力
火格子面積
羽口面断面積
バーナーの燃焼能力
0.5t/h
0.5m2
0.2m2
20l /h
15

カドミウム系顔料又は炭酸カドミウム製造用乾燥施設

容量
0.1m3
16

塩素化エチレン製造用塩素急速冷却施設

原料塩素処理能力
(塩化水素にあっては塩素換算量)
50kg/h
17
塩化第二鉄製造用溶解槽
18

活性炭製造用(塩化亜鉛を使用するものに限る。)反応炉

バーナー燃焼能力
3l /h
19

化学製品製造用塩素反応施設,塩化水素反応施設及び塩化水素吸収施設(塩素ガス又は塩化水素ガスを使用するものに限り, 16~18項及び密閉式のものを除く。)

原料塩素処理能力
(塩化水素にあっては塩素換算量)
50kg/h
20
アルミニウム製錬用電解炉 電流容量
30KA
21

燐,燐酸,燐酸質肥料又は複合肥料製造用(原料として燐鉱石を使用するものに限る。)反応施設,濃縮施設,焼成炉及び溶解炉

原料燐鉱石処理能力
バーナー燃焼能力
変圧器定格容量
80kg/h
50l /h
200KVA
22

弗酸製造用凝縮施設,吸収施設及び蒸溜施設(密閉式を除く。)

伝熱面積
ポンプ動力
10m2
1 kW
23

トリポリ燐酸ナトリウム製造用(原料として燐鉱石を使用するものに限る。)反応施設,乾燥炉及び焼成炉

原料処理能力
火格子面積
バーナー燃焼能力
80kg/h
1 m2
50l /h
24

鉛の第二次精錬用(鉛合金の製造を含む。)又は鉛の管,板若 しくは線製造用溶解炉

バーナー燃焼能力
変圧器定格容量
10l /h
40KVA
25
鉛蓄電池製造用溶解炉 バーナー燃焼能力
変圧器定格容量
4 l /h
20KVA
26

鉛系顔料製造用溶解炉,反射炉,反応炉及び乾燥施設

容量
バーナーの燃焼能力
変圧器定格容量
0.1m3
4 l /h
20KVA
27

硝酸製造用吸収施設,漂白施設及び濃縮施設

合成,漂白又は濃縮能力
100kg/h
28
コークス炉 原料処理能力
20t/日
29
ガスタービン 燃料の燃焼能力
50l /h
30
ディーゼル機関
31
ガス機関 燃料の燃焼能力
35l /h
32
ガソリン機関
(注)
 
※1
県条例(30頁)に類似施設あり。
※2

下記のダイオキシン類対策特別措置法の大気基準適用施設に類似施設あり。 (ダイオキシン類対策特別措置法を参照)


区分 番号 内  容
大気基準適用施設 1

焼結鉱(銑鉄の製造の用に供するものに限る。)の製造の用に供する焼結炉
 原料の処理能力が1t/h以上のもの

2

製鋼の用に供する電気炉(鋳鋼又は鍛鋼の製造の用に供するものを除く。)
 変圧器の定格容量が1,000KVA以上のもの

3

亜鉛の回収(原料として製鋼用電気炉の集じん灰を使用するものに限る。)の用に供する焙焼炉,焼結炉,溶鉱炉,溶解炉及び乾燥炉
 原料の処理能力が0.5t/h以上のもの

4

アルミニウム合金の製造(原料としてアルミニウムくず(同一事業所内の圧延工程において生じたものを除く。)を使用するものに限る。)の用に供する焙焼炉,溶解炉及び乾燥炉
 溶解炉;容量が1t以上のもの
 焙焼炉及び乾燥炉;原料の処理能力が0.5t/h以上のもの

5

廃棄物焼却炉
 火床面積※(炉の床面積)が0.5m2以上又は焼却能力※が50kg/h以上のもの
 (※一つの焼却施設に二以上の焼却炉が設置されている場合にはその合計)

(注)
3

 重油換算は,重油10l 当りが,液体燃料は10l に,ガス燃料は16m3に,固体燃料は16kgに,それぞれ相当するものとして取り扱う。
 ただし,31,32の施設について,燃料が気体の場合は,次の換算式による。
   重油換算量(l /h)=換算係数×気体燃料の燃焼能力(m3N/h)
   換算係数 =気体燃料の発熱量(kJ/m3N)÷重油発熱量(kJ/l )
     上式の気体燃料の発熱量は総発熱量(高位)を用いることとし,重油の
     発熱量は40,186.08kJ/l (9,600kcal/l )

4

 複数のばい煙発生施設が1台の変圧器を共用している場合は,各ばい煙発生施設の電力容量を変圧器の定格容量とする。

5

 項番号1;ボイラーのうち伝熱面積10m2未満でバーナーの燃焼能力が50l /h以上の施設(以下「小型ボイラー」という。)について,昭和60年9月9日以前に設置したものは「既設小型ボイラー」という。

6

 「SOx」とは硫黄酸化物,「NOx」とは窒素酸化物を意味する。

7

 その他,ばい煙発生施設の詳細については,「ばい煙発生施設解説集(昭和55年3月環境庁大気保全局)」 による。

(出典:大気汚染防止法・広島県生活環境の保全等に関する条例(大気関係) の概要より)

規制物質 大気汚染防止法
定義 基準等 測定義務
ばい煙

1 燃料その他の物の燃焼に伴い発生する硫黄酸化物

(1)K値規制
(2)特別排出基準(K値)
(3)季節燃料規制
q≧10 1回/2月以上
燃料の硫黄含有率

2 燃料その他の物の燃焼又は熱源としての電気の使用に伴い発生するばいじん

(1)濃度規制
(2)特別排出基準(該当なし)
(3)上乗せ基準(未制定)
Q≧4万1回/2月以上
Q<4万2回/1年以上(注3)(注4)

3 有害物質(物の燃焼,合成,分解その他の処理(機械的処理を除く。)に伴い発生する物質のうち,人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれのあるもの)
①カドミウム及びその化合物
②塩素及び塩化水素
③弗素,弗化水素及び弗化珪素
④鉛及びその化合物
⑤窒素酸化物

(1)濃度規制
(2)上乗せ基準(未制定)
Q≧4万1回/2月以上
Q<4万2回/1年以上
(注3)(注5)

4 特定有害物質(燃料その他の物の燃焼に伴い発生する有害物質で環境大臣の定めるもの)(末制定)

(1)K値規制
(2)特別排出基準(K値)
 

5 指定ばい煙(政令で定めるばい煙)
①硫黄酸化物
②窒素酸化物

①総量規制・燃料規制
②総量規制(本県該当なし)
SOxq≧10常時
NOxQ≧4万常時
特定物質

物の合成,分解その他の化学的処理に伴い発生する物質のうち,人の健康又は生活環境に係る被害をずるおそれがあるもの
1アンモニア2弗化水素3シアン化水素4一酸化炭素5ホルムアルデヒド6メタノール7硫化水素8燐化水素9塩化水素10二酸化窒素11アクロレイン12二酸化硫黄13塩素14二硫化炭素15ベンゼン16ピリジン17フェノール18硫酸(含三酸化硫黄)19弗化珪素20ホスゲン21二酸化セレン22クロルスルホン酸23黄燐24三塩化燐25臭素26ニッケルカルボニル27五塩化燐28メルカプタン

(事故時の措置)
ばい煙発生施設又は特定施設(特定物質を発生する施設)について,故障,破損その他の事故が発生し,ばい煙又は特定物質が大気中に多量に排出されたときは,ただちに,
①事故の応急処置を講じる。
②事故をすみやかに復旧するように努める。

 
揮発性有機化合物

大気中に排出され,又は飛散した時に気体である有機化合物(除外物質を除く。)

(1)濃度規制 2回/1年以上(注6)

除外物質(浮遊粒子状物質及びオキシダントの生成原因にならない物質)

[メタン,HCFC-22,HCFC-124,HCFC-141b,HCFC-142b,HCFC-225ca,HCFC-225cb及びHFC-43-10mee]
 
一般粉じん

物の破砕,選別その他の機械的処理又は堆積に伴い発生し又は飛散する物質(以下「粉じん」という。)で特定粉じん以外のもの

構造・使用・管理基準  
特定粉じん

粉じんのうち,石綿その他の人の健康に係る被害を生ずるおそれがある物質
①石綿

敷地境界線における濃度規制

従業員21人以上
1回/6月以上
従業員20人以下
当分の間猶予

特定粉じん排出等作業における作業基準

 
指定物質

有害大気汚染物質*のうち人の健康に係る被害を防止するためその排出又は飛散を早急に抑制しなければならないもの
①ベンゼン
②トリクロロエチレン
③テトラクロロエチレン

指定物質抑制基準  
自動車排出ガス

自動車の運行に伴い発生する,人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれのあるもの
①一酸化炭素②炭化水素③鉛化合物
④窒素酸化物⑤粒子状物質

   

規制物質 広島県生活環境の保全等に関する条例(大気関係)
定義 基準等 測定義務
ばい煙

1.燃料その他の物の燃焼に伴い発生する硫黄酸化物

K値規制 q≧101回/2月以上
燃料の硫黄含有率

2.燃料その他の物の燃焼又は熱源としての電気の使用に伴い発生するばいじん

濃度規制 Q≧4万1回/2月以上
Q<4万2回/1年以上

3.大気関係有害物質(物の燃焼,合成,分解その他の処理(機械的処理を除く。)に伴い発生する物質のうち,人の健康又は生活環境に係る被害が生ずるおそれがあるもの)
①アンモニア②ふっ素及びその化合物③シアン及びその化合物④一酸化炭素⑤ホルムアルデヒド⑥硫化水素⑦塩化水素⑧二酸化窒素⑨二酸化硫黄⑩塩素⑪二硫化炭素⑫フェノール⑬硫酸(含,三酸化硫黄)⑭黄りん⑮鉛及びその化合物⑯アセトアルデヒド

濃度規制 Q≧4万1回/2月以上
4万>Q≧0.5万 2回/1年以上

4.大気関係特定有害物質 (燃料その他の物の燃焼に伴い発生する有害物質で規則で定めるもの)(未制定)

   
粉じん

物の破砕,選別その他の機械的処理又は堆積に伴い発生し,又は飛散する物質

構造・使用・管理基準  
(注1)

測定結果は,ばい煙量等測定記録表等により記録し,その記録を3年間保存すること。

(注2)

Q:排出ガス量(0°C,1気圧)単位(Nm3/h)
q:硫黄酸化物排出量(0°C,1気圧)単位(Nm3/h)

(注3) 1

排出ガス量が4万Nm3/h未満のばい煙発生施設で継続して休止する期間が6月以上のもの(暖房用 ボイラー等の季節稼働施設)に係るばい煙濃度の測定は年1回以上。

2

燃料電池用改質器(ガス発生炉)に係るばい煙濃度の測定は5年1回以上。

(注4)

廃棄物焼却炉及びガス専焼ボイラー等については,次のとおり。

1 廃棄物焼却炉
①焼却能力4t/h以上のものは2月に1回以上
②焼却能力4t/h未満のものは年2回以上
2

ガス専燃ボイラー,ガスタービン,ガス機関及び燃料電池用改質器(ガス発生炉) 5年1回以上

(注5)

燃料電池用改質器(ガス発生炉)については,5年1回以上。

(注6)

継続して休止する期間が6月以上のものに係る揮発性有機化合物の測定は年1回以上。

*継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれがある物質で大気の汚染の原因となるもの(ばい煙 (ばいじん以外のもの)及び特定粉じんを除く。)

(出典:大気汚染防止法・広島県生活環境の保全等に関する条例(大気関係) の概要より)

関連法令
(1)大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)
 ばい煙、揮発性有機化合物、粉じん、有害大気汚染物質及び自動車排出ガスを規制しています。

(2) 悪臭防止法(昭和46年法律第91号)
 事業活動にともない発生する悪臭について規制しています。

(3) ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)
 ダイオキシン類による環境汚染を防止し、国民の健康を守る法律です。