残留農薬検査

 食品の安全性を高めるための新しい基準となる「ポジティブリスト制度」が平成18年(2006年)5月29日に施行されました。従来の食品衛生法では、残留基準が設定されていた農薬等は283品目で、それ以外は規制がありませんでしたが、ポジティブリスト制度の導入により規制が強化されました。具体的には、799品目の農薬等について残留基準が設定され、それぞれの個別残留基準値を超えた場合だけでなく、個別残留基準値が設定されていない農薬等が一律基準値である0.01ppm(1Kg当り0.01mg)以上を検出した場合についても、食品の販売が原則禁止されます。当社では安全な食品を消費者に提供するための残留農薬一斉分析及び個別分析をお受けしています。


食品中に残留する農薬等の新しい制度(ポジティブリスト制度)
(改正食品衛生法第11条関係(平成17年11月29日付けで関係告示を公布))

〔新制度への移行前〕(平成17年11月29日時点)
〔ポジティブリスト制度への移行後〕・・・・・平成18年5月29日施行
(厚生労働省の資料から作成)

残留農薬の分析の流れ
■前処理1
検査物をミキサー、ホモジナイザー等で細かく粉砕します。
■前処理2
粉砕した試料を精製して、分析しやすい状態にします。有機溶媒抽出や固相抽出を用い、作物の種類などによって最適の抽出方法で精製します。
■機器分析GC/MS/MS
精製した試料をガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS/MS)、高速液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS/MS)等を使用し分析します。
■解析
分析装置で得られたデータを慎重に解析します。

分析の種類
(1)個別分析   農産物などの生産・流通の過程で、散布履歴が判明している場合や、多成分の一斉分析に無い項目を追加したい場合、個別定量分析をご利用ください。
個 別 分 析 の 例
主な農薬の系統 農薬名
有機塩素系 フサライド、ジコホール
有機リン系 クロルピリホス、メタミドホス、マラチオン
ピレスロイド系 エトフェンプロックス、シペルメトリン
ネライストキシン系 カルタップ
カーバメート系 カルバリル、アラニカルブ
フェノキシ系 MCPB、クロメプロップ
トリアジン系 アトラジン、トリアジメホン

(2)一斉分析   農産物などの生産・流通の過程で、使用された農薬が特定できない場合、多種類の農薬の項目を一斉に確認したい場合にご利用ください。項目数等の詳細についてはご相談ください。

高速液体クロマトグラフ質量分析装置
LC/MS/MS
ガスクロマトグラフ質量分析装置
GC/MS/MS
※多成分一斉分析で農薬が検出された場合は定量値で報告いたします。
 年間を通してのご契約、多検体でのご依頼は別途ご相談させていただきます。お気軽にご連絡ください。
検査方法

関係法令

参考資料