乳及び乳製品の成分規格に関する省令
昭和26年12月27日厚生省令第52号 改正平成19年10月30日厚生労働省令第132号


1. 原料乳・飲用乳・乳飲料
 
原 料 乳*1
飲 用 乳*1*3
乳飲料*3
生乳
生山羊乳
牛乳*2
特別牛乳
殺菌山羊乳
成分調整
牛乳
低脂肪牛乳
無脂肪牛乳
加工乳
乳飲料
比重(15°) 1.028〜1.034a)
1.028〜1.036b)
1.030〜1.034 1.028〜1.034a)
1.028〜1.036b)
1.028〜1.034a)
1.028〜1.036b)
1.030〜1.034
1.030〜1.036 1.032〜1.038
酸度(乳酸%) 0.18以下a)
0.20以下b)
0.20以下 0.18以下a)c)
0.20以下b)c)
0.17以下a)
0.19以下b)
0.20以下 0.18以下 0.18以下e) 0.18以下e) 0.18以下e)
無脂乳固形分(%)
8.0以上 8.5以上 8.0以上 8.0以上 8.0以上 8.0以上 8.0以上
乳脂肪分(%)
3.0以上 3.3以上 3.6以上
0.5以上
1.5以下
0.5未満

細菌数(1mL当たり)

400万以下(直接個体検鏡法)

400万以下(直接個体検鏡法)

5万以下d)(標準平板培養法)

3万以下(標準平板培養法)

5万以下(標準平板培養法)

5万以下(標準平板培養法)

5万以下e)(標準平板培養法)

5万以下e)(標準平板培養法)

5万以下e)(標準平板培養法)

3万以下f)(標準平板培養法)

大腸菌群
陰性g) 陰性g) 陰性g) 陰性g) 陰性g) 陰性g) 陰性g) 陰性g)
製造の方法の基準

殺菌法:保持式により63℃ 30分またはこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌

殺菌法: 殺菌する場合は保持式により63〜65℃ 30分殺菌

牛乳に同じ 牛乳に同じ 牛乳に同じ 牛乳に同じ 牛乳に同じ

殺菌法: 原料は殺菌の過程において破壊されるものを除き,62℃,30分又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で殺菌

保存の方法の基準    

殺菌後直ちに10℃以下に冷却して保存のこと(常温保存可能品を除く)常温保存可能品は常温を超えない温度で保存

処理後(殺菌した場合にあっては殺菌後)直ちに10℃以下に冷却して保存すること

殺菌後直ちに10℃以下に冷却して保存すること

牛乳に同じ 牛乳に同じ 牛乳に同じ 牛乳に同じ

牛乳に同じ(保存性のある容器に入れ,かつ120℃で4分間の加熱殺菌又はこれと同等以上の加熱殺菌したものを除く)

a) ジャージー種の牛の乳のみを原料とするもの以外のもの.生乳にあっては,ジャージー種の牛以外の牛から搾取したもの.
b) ジャージー種の牛の乳のみを原料とするもの.生乳にあっては,ジャージー種の牛から搾取したもの.
c) 常温保存可能品にあっては,29〜31℃14日又は54〜56℃7日間保存後の上昇が0.02%以内
d) 常温保存可能品にあっては,29〜31℃14日又は54〜56℃7日間保存のものについて0
e) 常温保存可能品にあっては牛乳に同じ
f) 常温保存可能品にあっては,29〜31℃14日又は54〜56℃7日間保存後のものについて0
g)1.11mL×2中,B.G.L.B.培地法
*1  農薬等の残留基準についてはⅠ.2参照
*2  PCBの暫定的規制値についてはⅠ.4参照
*3  容器等についてはⅠⅤ.5参照

 
原 料 乳*1
飲 用 乳*1*3
乳飲料*3
生乳
生山羊乳
牛乳*2
特別牛乳
殺菌山羊乳
成分調整
牛乳
低脂肪牛乳
無脂肪牛乳
加工乳
乳飲料
備考 他物の混入禁止 他物の混入禁止

その成分の除去を行わないこと他物の混入禁止(超高温直接加熱殺菌の際の水蒸気を除く)
牛乳の残留農薬については農薬残留基準参照

その成分の除去を行わないこと
他物の混入禁止

他物の混入禁止 牛乳に同じ 牛乳に同じ 牛乳に同じ

水,生乳,牛乳,特別牛乳,低脂肪牛乳,無脂肪牛乳,全粉乳,脱脂粉乳,濃縮乳,脱脂濃縮乳,無糖練乳,無糖脱脂練乳,クリーム並びにバター,バターオイル,バターミルク及びバターミルクパウダー(添加物を使用しないものに限る)以外のものは使用禁止

糊状のもの又は凍結したものには防腐剤を使用しないこと

*1  農薬等の残留基準についてはⅠ.2参照
*2  PCBの暫定的規制値についてはⅠ.4参照
*3  容器等についてはⅠⅤ.5参照



2. 乳製品(発酵乳,乳酸菌飲料及び乳飲料を除く)*2
 
クリーム
バター
バター
オイル
ナチュラルチーズ*4
プロセス チーズ
濃縮
ホエイ
アイスクリーム類
濃縮乳
脱脂
濃縮乳
アイス
クリーム
アイス
ミルク
ラクト
アイス
酸度
(乳酸%)
0.20以下
乳固形分(%)
40.0以上 25.0以上 15.0以上 10.0以上 3.0以上 25.5以上 18.5以上 (無脂)
乳脂肪分(%) 18.0以上 80.0以上 99.3以上
8.0以上 3.0以上
7.0以上
糖分(%)
水分(%)
17.0以下 0.5以下
細菌数(標準平板培養法) 10万以下 (1mL当たり)
10万以下*1 (1g当たり) 5万以下*1 (1g当たり) 5万以下*1 (1g当たり) 10万以下 (1g当たり) 10万以下 (1g当たり)
大腸菌群 陰性a) 陰性b) 陰性b)
陰性b) 陰性b) 陰性b) 陰性b) 陰性b)
リステリア
陰性c)
製造の方法
の基準
牛乳に同じ

原水は,飲用適の水とする.原料(発酵乳及び乳酸菌飲料を除く)は68℃30分間加熱殺菌するか,又は同等以上の効力を有する方法で殺菌すること.氷結管から抜取る場合に外部を温める水は飲用適の流水であること.融解水は加熱殺菌した場合以外原料として用いないこと

牛乳に同じ 牛乳に同じ
保存の方法
の基準

殺菌後,直ちに10℃以下に冷却して保存のこと.ただし,保存性のある容器に入れ殺菌したものを除く

 
 
 
 
 

濃縮後,直ちに10℃以下に冷却して保存のこと

備考 他物の混入禁止*3
 
 
 
 
 
 
 
 
他物の混入禁止*3 他物の混入禁止*3

a) 牛乳の項参照,b)0.1g×2中,デソキシコーレイト培地法,c)25g中(EB培地増菌法+Oxford又はPALCAM寒天培地法)
*1 発酵乳又は乳酸菌飲料を原料として使用したものにあっては,乳酸菌数と酵母数を除く.
*2 超高温直接加熱殺菌の際の水蒸気を除く.
*3 ソフト及びセミソフトタイプなど,加熱用,ピザ用,トースト用又はグラタン用の表示のあるシュレッドチーズを除く.
*4 PCB の暫定的規制値についてはⅠ.4参照,容器等についてはⅣ.参照.

  無糖練乳 無糖脱脂練乳 加糖練乳 加糖脱脂練乳 全粉乳 脱脂粉乳 クリームパウダー ホエイパウダー たんぱく質濃縮ホエイパウダー バターミルクパウダー 加糖粉乳 調製粉乳
乳固形分(%) 25.0以上 18.5以上(無脂) 28.0以上 25.0以上 95.0以上 95.0以上 95.0以上 95.0以上 95.0以上 95.0以上 70.0以上 50.0以上
乳たんぱく量(%)
(乾燥状態において)
15.0以上80.0以下
乳脂肪分(%) 7.5以上
8.0以上
25.0以上
50.0以上
18.0以上
糖分(%)
58.0以下(乳糖を含む) 58.0以下(乳糖を含む)
25.0以下(乳糖を除く)
水分(%)
27.0以下 29.0以下 5.0以下 5.0以下 5.0以下 5.0以下 5.0以下 5.0以下 5.0以下 5.0以下
細菌数
(標準平板培養法)
0(1g当たり) 0(1g当たり) 5万以下(1g当たり) 5万以下(1g当たり) 5万以下(1g当たり) 5万以下(1g当たり) 5万以下(1g当たり) 5万以下(1g当たり) 5万以下(1g当たり) 5万以下(1g当たり) 5万以下(1g当たり) 5万以下(1g当たり)
大腸菌群
陰性c) 陰性c) 陰性c) 陰性c)*6 陰性c) 陰性c) 陰性c) 陰性c) 陰性c) 陰性c)
製造の方法
の基準
容器に入れ115℃以上15分加熱 無糖練乳に同じ
備考

使用可能添加物は下記の通り*2

しょ糖以外のものの混入については下記の通り*3  

たんぱく質量の調整のために乳糖及び生乳,牛乳,特別牛乳,低脂肪牛乳又は無脂肪牛乳からろ過により得られたものを添加することができる.

 

しょ糖以外のものの混入については下記の通り*5

乳(山羊乳を除く)又は乳製品のほか,その種類及び混合割合につき厚生労働大臣の承認を得て使用するもの以外は使用禁止

使用可能添加物は下記の通り*4
*1
*1
*1
*1
C) 0.111g×2中,B.G.L.B.培地法
*1

製造に当たってその種類及び混合割合につき厚生労働大臣の承認を受けた添加物はこの限りでない

*2

塩化カルシウム,クエン酸カルシウム,クエン酸三ナトリウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸ナトリウム(結晶),炭酸ナトリウム(無水),ピロリン酸四ナトリウム(結晶),ピロリン酸四ナトリウム(無水),ポリリン酸カリウム,ポリリン酸ナトリウム,メタリン酸カリウム,メタリン酸ナトリウム,リン酸水素二ナトリウム(結晶),リン酸水素二ナトリウム(無水),リン酸二水素ナトリウム(結晶),リン酸二水素ナトリウム(無水),リン酸三ナトリウム(結晶),リン酸三ナトリウム(無水)単品で2g/kg以下,組合せで3g/kg以下(結晶は無水換算)

*3

クエン酸カルシウム,クエン酸三ナトリウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸ナトリウム(結晶),炭酸ナトリウム(無水),ピロリン酸四ナトリウム(結晶),ピロリン酸四ナトリウム(無水),ポリリン酸カリウム,ポリリン酸ナトリウム,メタリン酸カリウム,メタリン酸ナトリウム,リン酸水素二カリウム,リン酸水素二ナトリウム(結晶),リン酸水素二ナトリウム(無水),リン酸二水素ナトリウム(結晶),リン酸二水素ナトリウム(無水)単品で2g/kg以下,組合せで3g/kg以下(結晶は無水換算),乳糖2g/kg以下.

*4

クエン酸三ナトリウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸ナトリウム(結晶),炭酸ナトリウム(無水),ピロリン酸四ナトリウム(結晶),ピロリン酸四ナトリウム(無水),ポリリン酸カリウム,ポリリン酸ナトリウム,メタリン酸カリウム, メタリン酸ナトリウム,リン酸水素二ナトリウム(結晶),リン酸水素二ナトリウム(無水),リン酸三ナトリウム(結晶),リン酸三ナトリウム(無水),単独又は組合せで5g/kg以下(結晶は無水換算)

*5

クエン酸三ナトリウム,炭酸水素ナトリウム,ピロリン酸四ナトリウム(結晶),ピロリン酸四ナトリウム(無水),ポリリン酸カリウム,ポリリン酸ナトリウム,メタリン酸カリウム,メタリン酸ナトリウム,リン酸水素二ナトリウム(結晶),リン酸水素二ナトリウム(無水),リン酸三ナトリウム(結晶),リン酸三ナトリウム(無水),単品又は組合せで5g/kg以下(結晶は無水換算)

*6

加熱殺菌を行うまでの工程において,原料を10℃以下又は48℃を超える温度に保たなければならない.(原料が滞留しないように連続して製造が行われている場合はこの限りではない)加熱殺菌は牛乳の例による. 加熱殺菌後から乾燥を行うまでの工程において,原料を10℃以下又は48℃を超える温度に保たなければならない.ただし,当該工程において用いるすべての機械の構造が外部からの微生物による汚染を防止するものである場合又は原料の温度が10℃を超え,かつ,48℃以下の状態の時間が6時間未満である場合にあっては,この限りではない.



3. 発酵乳・乳酸菌飲料*1
  発酵乳*2 乳酸菌飲料*2 (無脂乳固形分3.0%以上) 乳酸菌飲料*3,4 (無脂乳固形分3.0%未満)
無脂乳固形分% 8.0以上    
乳酸菌数又は酵母数
(1mL当たり)
1000万以上

1000万以上
ただし,発酵させた後,75℃以上で15分加熱するか,これと同等以上の殺菌方法で加熱殺菌したものはこの限りでない.

100万以上
大腸菌群 陰性a) 陰性a) 陰性a)
製造の方法の基準

原水は,飲用適の水とする.
原料(乳酸菌,酵母,発酵乳及び乳酸菌飲料を除く)は62℃で30分間加熱殺菌するか,又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で殺菌すること.

原液の製造に使用する原水は飲用適の水であること.
原液の製造に使用する原料(乳酸菌及び酵母を除く)は62℃で30分間加熱殺菌するか,又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で殺菌すること.
原液を薄めるのに使用する水等は,使用直前に5分間以上煮沸するか,又はこれと同等以上の効果を有する殺菌操作を施すこと.

備考

糊状のもの又は凍結したものには防腐剤を使用しないこと.

殺菌したものには,防腐剤を使用しないこと.

 
a)

0.1g×2中,デソキシコーレイト培地法

*1

清涼飲料水全自動調理機で調理される乳酸菌飲料の調理の方法の基準については別に定められている.

*2 乳製品
*3 乳等を主原料とする食品
*4

PCBの暫定的規制値についてはⅠ.4参照,容器等についてはⅣ.5参照



4.常温保存可能品
 
牛乳, 成分調整牛乳
低脂肪牛乳
無脂肪牛乳
加工乳
乳飲料

アルコール試験(30±1℃14日または55±1℃7日保存の前後において)

陰性
陰性
陰性
陰性

酸度(乳酸%)(30±1℃14日または55±1℃7日保存の前後の差)

0.02%以内
0.02%以内
0.02%以内
0.02%以内

細菌数(30±1℃14日または55±1℃で7日保存した後)(1mL当たり)

0
(標準平板培養法)
0
(標準平板培養法)
0
(標準平板培養法)
0
(標準平板培養法)
0
(標準平板培養法)

社団法人 日本食品衛生学会 食品衛生学雑誌第49巻第1号より抜粋