ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止


 ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の未然防止を図ることが緊急の課題となっています。 1990年環境庁から「ゴルフ場農薬暫定指導指針」の通知が出され、農薬の使用に当たっては、農薬取締法に基づき安全性評価がなされた登録農薬の適正使用や使用量の削減等について指導がなされています。ゴルフ場は、排出される水に含まれる農薬の実態把握に努め、その結果に基づき、必要に応じて随時、適切な改善措置が求められます。
 また、厚生労働省は「ゴルフ場農薬水道水質目標」を21農薬(1991年7月に9物質追加して30物質)について定めています。さらに、農林水産省は「ゴルフ場における農薬の適正使用について」の通達により、ゴルフ場で使用される農薬の適正使用とゴルフ場排水口での水質調査の実施指導などの対策が進められています。

 農薬は、種類や使用方法によっては、周辺の動植物に被害を及ぼしたり、環境を汚染したりする恐れがあります。
 農薬を使用する場合は、農薬取締法に基づく登録を受けた農薬で、可能な限り毒性の低いものを選び、気候や地形などを考慮しながら、必要最小限の量の使用が望まれます。

ゴルフ場の排出水やゴルフ場内の井戸水の水質測定を行うことは、農薬が周辺環境に流出していないことを確認する上で、非常に重要です。
 農薬は、事業者自らの責任で管理・使用するものですから、散布時期や天候に応じて適切な自主測定を行い、周辺環境への影響監視に十分努める必要があります。

 当社では平素より多方面の環境測定分析を実施し実績を積んでまいりました。
 ゴルフ場農薬の測定についても万全の体制を整えております。

現在45種の農薬について指針値が設定されています。
農薬名 指針値
(mg/L)
農薬名 指針値
(mg/L)
(殺虫剤) (除草剤)
アセフェート 0.8 アシュラム 2
イソキサチオン 0.08 ジチオピル 0.08
イソフェンホス 0.01 シデュロン 3
エトフェンプロックス 0.8 シマジン(CAT) 0.03
クロルピリホス 0.04 テルブカルブ(MBPMC) 0.2
ダイアジノン 0.05 トリクロピル 0.06
チオジカルブ 0.8 ナプロパミド 0.3
トリクロルホン(DEP) 0.3 ハロスルフロンメチル 0.3
ピリダフェンチオン 0.02 ピリブチカルブ 0.2
フェニトロチオン(MEP) 0.03 ブタミホス 0.04
(殺菌剤) フラザスルフロン 0.3
アゾキシストロビン 5 プロピザミド 0.08
イソプロチオラン 0.4 ベンスリド(SAP) 1
イプロジオン 3 ペンディメタリン 0.5
イミノクタジン酢酸塩 0.06 ベンフルラリン(ベスロジン) 0.8
(イミノクタジンとして) メコプロップ(MCPP) 0.05
エトリジアゾール(エクロメゾール) 0.04 メチルダイムロン 0.3
オキシン銅(有機銅) 0.4
キャプタン 3
クロロタロニル(TPN) 0.4
クロロネブ 0.5
チウラム(チラム) 0.06
トルクロホスメチル 0.8
フルトラニル 2
プロピコナゾール 0.5
ペンシクロン 0.4
ホセチル 23
ポリカーバメート 0.3
メタラキシル 0.5
メプロニル 1

測定場所は
 農薬は、コース等に散布してから、短期間の内に降雨があると、流出する可能性が高くなります。
 このため、できるだけ降雨直後に、最終調整池の出口やゴルフ場外への排出口、場内で利用している井戸等の測定が望まれます。

測定頻度は
 測定は、おおむね、除草剤、殺虫剤、殺菌剤ごとに、年1回以上とし、特に下流に水道水源などがある場合は、測定の頻度を多くすることが望まれます。
 なお、一時的に多量に窒素肥料を散布した場合等には、参考までに窒素肥料に由来する硝酸性・亜硝酸性窒素についても、測定することが望まれます。
「高速液体クロマトグラフ システム」

浴槽水中のレジオネラ属菌等の検査も行っております
 レジオネラ症の発生を防止するため、公衆浴場法施行条例が改正され、営業者が衛生上守らなければならない必要な基準を定められています。詳しくは、お気軽にご相談ください。

Nov.2008 [04KB0003]