作業環境測定基準及び評価基準が改正されました。


 平成16年10月に作業環境測定基準の一部を改正する告示及び作業環境評価基準の一部を改正する告示が公布され、平成17年4月1日から施行・適用されることとなりました(平成16年厚生労働省告示第368号及び第369号)。
 今回の改正は、近年の化学物質等の人体への影響について、医学的知見や作業環境測定技術の最新の状況等を踏まえ、管理濃度の新規設定及び改定が行われたものです。評価基準の変更により、今後の管理濃度が厳しくなりますのでお知らせ致します(第2管理区分に区分された場合は注意を必要とし、第3管理区分に区分された場合は、速やかに作業環境を改善するために必要な措置を講じなければなりません。管理濃度の変更比較表は裏面をご覧ください)。

作業環境を管理・改善し、有害な因子による労働者の健康障害を未然に防止しましょう。
 なお、「粉じん」測定については、評価を行うために必要な遊離けい酸の測定を、基準改正に伴って変更された測定法によって再度行う必要があります(基準改正後(平成17年4月1日以後)、初回の作業環境測定時のみ)。測定法の変更により、弊社の測定価格も変更させて頂きたいと存じますので、ご理解の程、よろしくお願い申し上げます(詳細はお気軽にお問い合わせください)。
 お客様には今後とも十分満足して頂けますよう、より一層尽力してまいります。今後とも引き続き弊社を御引き立て頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。

改正の要点
1.作業環境測定基準(昭和51年労働省告示第46号)関係
(1)

粉じん濃度の測定方法のうち、分粒装置を用いるろ過捕集方法及び重量分析方法について、分粒装置の特性が変更されました(第2条関係)。

(2)

空気中の石綿(アモサイト及びクロシドライトを除く。)の粉じんの濃度の測定方法のうち、ろ過捕集方法及びエックス線回析分析方法によるものが削除されました(第10条関係)。

2.作業環境評価基準(昭和63年労働省告示第79号)関係

三酸化砒素について管理濃度を新たに設定するとともに、シアン化カリウム等21物質について管理濃度の改定が行われました(下表参照)。


管理濃度の変更比較表
物の種類 管理濃度(改正後) 管理濃度(改正前)
土石、岩石、鉱物、金属又は炭素の粉じん 次の式により算定される値

この式において、E及びQは、それぞれ次の値を表すものとする。
E 管理濃度 (単位 mg/m3
Q 当該粉じんの遊離けい酸含有率 (%)
次の式により算定される値

この式において、E及びQは、それぞれ次の値を表すものとする。
E 管理濃度 (単位 mg/m3
Q 当該粉じんの遊離けい酸含有率 (%)
石綿(アモサイト及びクロシドライトを除く。) 5μm以上の繊維として0.15本/cm3 5μm以上の繊維として2本/cm3
三酸化砒素 砒素として0.003mg/m3
シアン化カリウム シアンとして3mg/m3 シアンとして5mg/m3
シアン化水素 3ppm 5ppm
シアン化ナトリウム シアンとして3mg/m3 シアンとして5mg/m3
水銀及びその無機化合物(硫化水銀を除く。) 水銀として0.025mg/m3 水銀として0.05mg/m3
パラ−ニトロクロルベンゼン 0.6mg/m3 1mg/m3
弗化水素 2ppm 3ppm
ベンゼン 1ppm 10ppm
マンガン及びその化合物(塩基性酸化マンガンを除く。) マンガンとして0.2mg/m3 マンガンとして1mg/m3
硫化水素 5ppm 10ppm
鉛及びその化合物 鉛として0.05mg/m3 鉛として0.1mg/m3
アセトン 500ppm 750ppm
イソプロピルアルコール 200ppm 400ppm
キシレン 50ppm 100ppm
酢酸イソプロピル 100ppm 250ppm
酢酸エチル 200ppm 400ppm
ジクロルメタン(別名二塩化メチレン) 50ppm 100ppm
スチレン 20ppm 50ppm
トリクロルエチレン 25ppm 50ppm
ノルマルヘキサン 40ppm 50ppm

Apr.2005 [05KB0001]