マスクフィットテストのご案内

 金属アーク溶接等作業(※)で発生する「溶接ヒューム」に含まれる化学物質について労働者の神経障害等に健康障害を及ぼすおそれがあることが明らかになったことから、特定化学物質障害予防規則が改正されました。これにより事業者は、金属アーク溶接等作業を行う労働者に有効な呼吸用保護具を使用させること、また、呼吸用保護具が適切に装着されていることを確認すること(マスクフィットテスト)が求められます。
(※)金属をアーク溶接する作業、アークを用いて金属を溶断し、又はガウジングする作業その他の溶接ヒュームを製造し、又は取り扱う作業。

1.改正の概要(呼吸用保護具に関するもの)

(1)事業者は、金属アーク溶接等作業に労働者を従事させるときは、当該労働者に溶接ヒュームの測定の結果に応じて有効な呼吸用保護具を選定し、使用させなければなりません。

(2)事業者は、面体を有する呼吸用保護具を使用させる場合は、1年以内ごとに1回、定期に、当該呼吸用保護具が適切に装着されていることを厚生労働大臣の定める方法(マスクフィットテスト)により確認し、その結果を記録し、これを3年間保存しなければなりません。

(3)マスクフィットテストは令和5年4月1日より義務化されます。

2.マスクフィットテストの概要

(1)マスクフィットテストとは、着用者に対して呼吸用保護具のサイズ、形状、装着状態が適切であるかを確認するため、マスクと顔の密着性を評価します。

(2)マスクフィットテストは、JIS T 8150(呼吸用保護具の選択、使用及び保守管理方法)に定める方法又はこれと同等の方法により、呼吸用保護具の外側、内側それぞれの測定対象物質の濃度を測定し、以下の計算式により「フィットファクタ」を求めます。

(フィットファクタ)= 呼吸保護具の外側の測定対象物質の濃度
呼吸保護具の内側の測定対象物質の濃度

(3)「フィットファクタ」が、以下の「要求フィットファクタ」を上回っているかどうかを確認します。

呼吸用保護具の種類要求フィットファクタ
全面形面体を有するもの500
半面形面体を有するもの100

3.測定機器の紹介

(1)当社では、日本カノマックス株式会社製「マスクフィットテスター AccuFIT9000PRO」を導入しております。

(2)同機は「定量的フィットテスト」に対応しており、全面形面体、半面形面体、使い捨て式防じんマスクのいずれの呼吸用保護具での試験が可能です。

(3)また、同機は「凝集粒子カウンタ(CPC)」を採用しており、標準定量的フィットテスト(7動作、テスト時間:7分以上)の他、短縮定量フィットテスト(4動作、テスト時間:約2分30秒)に対応しております。

4.当社のマスクフィットテストの流れ

当社では、作業環境測定機関として作業環境測定士が適切な試験計画をご提案致します。

Apr.2023 [23KB0001]