昆虫


 芦田川下流水際のコンクリート上や草の中でサクサク感のある茶色の殻が見られます。これは水中生活を終えた幼虫(ヤゴ)が陸上に這いあがり成虫になる時に脱ぎ捨てた殻です。
ご存知のように、トンボは 卵 → 幼虫(ヤゴ) → 成虫 といったサイクルを経て成長する昆虫です。トンボの種類によってこのサイクルの長さ(時間)は異なります。
私たちは、国土交通省の芦田川モニター調査に参加し羽化殻採集によるナゴヤサナエの発生個体数の推定を行っています。これからもナゴヤサナエの発生状況の動向を見守ると共に、産卵場所や幼虫の生息状況なども調べていく予定です。

ナゴヤサナエは日本特産種で比較的大きな河川の水域に近い河口域を生息地とします。名前は最初の発見地「名古屋」が由来です。体長は6㎝から7cm。広島県では1986年に芦田川で初めて確認され、県内の他の地域では確認されていません。

2008年11月1日