ミサゴは、背は茶色で腹は白くパンダのような色彩をしたタカの仲間です。人間では肉が好きな人もいれば、魚が好きな人などいろいろいますが、肉食主体のタカ類のなかで魚を主食とする変わったタカです。飛びながら空中の一点にとどまって狙いを定め(ホバリングという)、餌となる魚を見つけたら急降下、ダイビングして脚で魚を仕留めてキャッチしてそのままお気に入りのとまり場所まで運んで食べます。芦田川では、特に河口周辺に多く、近くの山林などに営巣しているものと思われます。最近では、送電線の鉄塔など人工物の上に巣材を組んで営巣するものも見られます。

2010年4月30日

 



カンムリカイツブリは、カイツブリの仲間の中では体が50cm程度と一般的なカモ並に大きいことが特徴です。ただし、嘴は先が鋭くカモのように先が丸みをおびていません。これは頻繁に潜水して魚などを採餌するのに適応しているといわれています。さらに目は赤色です。まれに西日本でも越夏することがありますが、多くは冬鳥です。越冬しているときは頭部から体の上面にかけては灰色で、喉から下腹部にかけては白色と地味な色彩ではありますが、春が近づくと顔の後方に黒と褐色の飾り羽がでてきて派手な装いになります。

2010年2月1日

 


ユリカモメは、冬を越すためにやってくる渡り鳥です。芦田川大橋周辺でよく見られ、大群で休息しています。人を見ると近づいてくる個体も見られ、とても人に懐きやすいカモメです。カモメの仲間というと羽根の上面は灰色で顔から腹にかけては白色なものがほとんどで、はじめて観察するとみんな同じに見えるかもしれません。本種はカモメの仲間の中では体が小型で冬羽では嘴と脚が赤橙色であることが特徴です。こういった特徴をもつカモメで本種以外のものはかなり国内で記録が少ない種類ばかりなので、芦田川あたりで見られる嘴と脚が赤橙色のカモメはまず本種を疑ってみるとよいと思います。春が近づくと頭と嘴が黒くなります。本来は主に小魚などを食べていると思われますが、パンの耳など人間が与える餌もよく食べます。春になると繁殖をするため大陸に渡去しますが、人の餌に頼っている個体は野生の感覚を失って渡りをするタイミングを逃してしまうなど弊害も指摘されており、最近ではむやみに餌付けをするのは控えたほうが良いと考えられています。

2009年12月29日

 


ホシハジロは、冬を越すためにやってくる渡り鳥で海ガモの仲間です。河口堰の上流周辺でよく見られ、大群で休息しています。写真のように、雄は首が赤茶色で胸が黒、背と腹は白で特徴的なのですが、雌は薄い茶色でこれといった特徴がなく地味で識別が難しいです。本種は、潜水が得意で植物性の餌(葉、茎、根、種)、水生昆虫、小魚、軟体動物、甲殻類、両生類などを主に食べています。春になると再び繁殖をするため大陸に渡去します。繁殖場所と越冬場所の違う渡り鳥って毎年の引越しが大変ですね。

2009年2月13日