ユリカモメは、冬を越すためにやってくる渡り鳥です。芦田川大橋周辺でよく見られ、大群で休息しています。人を見ると近づいてくる個体も見られ、とても人に懐きやすいカモメです。カモメの仲間というと羽根の上面は灰色で顔から腹にかけては白色なものがほとんどで、はじめて観察するとみんな同じに見えるかもしれません。本種はカモメの仲間の中では体が小型で冬羽では嘴と脚が赤橙色であることが特徴です。こういった特徴をもつカモメで本種以外のものはかなり国内で記録が少ない種類ばかりなので、芦田川あたりで見られる嘴と脚が赤橙色のカモメはまず本種を疑ってみるとよいと思います。春が近づくと頭と嘴が黒くなります。本来は主に小魚などを食べていると思われますが、パンの耳など人間が与える餌もよく食べます。春になると繁殖をするため大陸に渡去しますが、人の餌に頼っている個体は野生の感覚を失って渡りをするタイミングを逃してしまうなど弊害も指摘されており、最近ではむやみに餌付けをするのは控えたほうが良いと考えられています。

2009年12月29日